- 特定技能
【速報】特定技能2号の業種拡大について解説!全12業種での対象職種まとめ
深刻化する日本の労働力不足に対応するために設置された制度が「特定技能」です。
今回は、「特定技能2号」の業種拡大のニュースについて解説します。
政府は熟練した技能を有する外国人労働者が取得できる在留資格「特定技能2号」の対象を現在の2分野から11分野へ拡大する案を了承しました。
※令和5年8月31日、出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野を定める省令(平成31年3月15日法務省令第六号)等が改正・施行されたことにより、同日から開始されています。
この方針決定により、技能実習生や特定技能生のこれまでの「期間限定」という在り方は大きく変わることになります。
今後の外国人活用に大きな影響を与えることにもなりますので、是非ご確認ください。
特定技能とは?
特定技能とは、2019年に開始された在留資格であり、「1号」と「2号」が存在します。
特定技能制度では定められた12業種に限り就労が認められており、分野によって1号のみで運用されていました。
※令和6年3月に特定技能制度に新たな分野が追加されました
特定技能では、これまでの技能実習制度などでは認められなかった単純作業を含む幅広い業務範囲で従事することが可能となっています。
また、特定産業分野において相当程度の知識または経験を持つ外国人に向けた在留資格であり、深刻化する日本企業の人手不足解消のため一役を担っています。
特定技能2号とは?
特定技能2号とは、”特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格”です。
つまり、1号に比べて高い技術を持つと認定された外国人材が持つ在留資格です。
特定技能2号では、無期限就労が認められる上、家族帯同も認められます。
つまり、「特定技能2号」として、日本で家族を持ち、ずっと働いて暮らすことができるようになるのです。
これまでの特定技能2号では、「造船」「建設」の2業種でのみ認められていましたが、「製造業」「農業」「ビルクリーニング」「自動車整備」「航空」「宿泊」「漁業」「飲食料品製造」「外食」の9業種が追加されました。
特定技能2号に含まれない「介護」においては、既に別の在留資格「介護」にて無期限就労、家族帯同が認められるため特定技能2号には追加分野に上がっていません。
つまり、特定技能2号の業種拡大により、特定技能1号として受け入れ可能な全12業種で無期限就労が可能となります。
特定技能者の雇用・ご紹介に関しては以下をご確認ください。
特定技能1号との違いは?
在留期間
特定技能1号と2号の大きな違いは、在留期間です。
特定技能1号では通算5年間までとなっていますが、2号では更新上限がなく実質的に無期限就労が可能となります。
支援の必要性
特定技能1号では、義務的支援が設けられています。
受け入れ企業もしくは委託先の登録支援機関によって、特定技能生の生活や就労に関する支援を行う必要があります。
それに対して特定技能2号では、今のところこのような生活支援は不要とされています。
技能実習生から特定技能に移行した人材にとっては日本で最低でも8年過ごしているため、自立した生活が送れると考えられるのです。
登録支援機関について詳細はこちらをご覧ください。
家族帯同
特定技能1号では家族帯同は不可ですが、2号では認められています。
母国に家族がいる場合にも、「家族滞在」ビザとして配偶者と子を日本に呼び寄せることができます。
特定技能2号を採用するためには?
無期限就労ができ、支援も必要ない特定技能2号は多くの企業にとって需要が高まると予想されます。
2023年10月現在では、特定技能2号になるためには特定技能1号を満了したのちに、試験に合格した者のみが特定技能2号の在留資格を取得できます。
ただし特定技能では転職が可能なため、他社で特定技能1号として経験を積んだ人材を2号として受け入れることも可能となるでしょう。
しかし、すぐに特定技能2号が採用できるわけではありません。
特定技能制度は2019年に創設されており、2019年当初から特定技能1号になった人材でも、2023年6月時点ではまだ特定技能1号の5年を満了していません。
令和4年12月末時点での出入国在留管理庁の発表によると、特定技能2号の人数は全国でも建設分野で8人となっています。
特定技能1号を満了し特定技能2号として働き口を探す人材が増えてくるのは2~3年後と予想されます。
今後の特定技能はどうなる?
無期限就労が可能となる特定技能2号は多くの企業にとって魅力的な雇用形態となりますが、今後の特定技能制度はどうなるでしょうか?
上述の通り、当面は特定技能2号への移行者がすぐに激増することはありません。
特定技能1号を満了した人材が少しずつ2号移行者として増えてくることになるでしょう。
また、特定技能2号の対象業種が拡大されたことにより、日本への再入国を希望する元技能実習生も増えることが予想されます。
特定技能制度が創設される以前では技能実習を満了したあと、一定の要件を満たさない場合は他の就労資格への切り替えもできず、日本で働く方法がありませんでした。
「日本で長く働きキャリアを積む」ということが特定技能2号で可能になれば、元技能実習生が特定技能生として日本に再入国する人数も増えるかもしれません。
まとめ
政府見解にもあったように、特定技能2号を業種拡大するからといって日本の人材不足がすぐに解決に向かうわけではありません。
日本以外の国への就労の可能性もある中で、私たちは選ばれる国、受け入れ企業は選ばれる企業になる努力をする必要があります。
職場環境の整備や外国人材の受け入れ態勢の強化など、ご相談をいつでもお受けしております。