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外国人介護士の給与設定は?在留資格別にポイントを解説!

 

日本の高齢化社会において、介護施設はますます多くの介護士を必要としています。
しかし、その需要に対して国内の介護士では十分に確保できていないのが現実です。
その需給ギャップを埋めるために、増えているのが外国人介護士の雇用です。
本記事では、介護業界で外国人を雇用する際にはどのような在留資格で雇用ができるのか、
また、在留資格ごとの平均給与や給与設定のポイントについて解説します。

介護業で雇用できる外国人材の在留資格とは?

外国人介護士が日本で働くためには、適切な在留資格が必要です。
在留資格とは、日本国内で外国人がどのような活動を行うかを証明するものです。

外国人介護士といっても、様々な在留資格があり、それぞれ取得要件や勤務体系の制約などが異なります。
自社で外国人介護士を雇用する際には、介護施設で勤務することができる在留資格を持っている人を雇用しなければなりません。
外国人介護士が取得できる代表的な在留資格について説明します。

技能実習

技能実習制度は、日本の技術を母国へ持ち帰る技術移転のための制度です。
全86職種で受け入れが可能となっており、2017年度より介護分野も対象に追加されました。

技能実習生を受け入れる際には、協同組合などの監理団体を通す「団体監理型」と「企業単独型」の2つの受け入れ方がありますが、いずれの場合にも受け入れ計画の作成や必要書類の手続きを行う必要があります。

なお、介護職種で技能実習生を受け入れる場合には、受け入れ事業所が開設後3年が経過していることや、技能実習生には訪問系介護のサービスに従事させられないことに注意が必要です。

特定技能

特定技能制度は、日本の労働力不足を補う制度として創設された制度です。
人手不足が深刻であるとされる、全12業種にて受け入れが可能となっており、介護分野も対象となっています。
特定技能では、一定の専門性・技能を有した人材であることが前提とされ、採用後は即戦力として活躍することが求められます。

技能実習と同じく訪問系サービスには従事できませんが、身体介護と支援業務を行うことができ、業務制限の幅が少ないのも特徴です。

EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者

EPA候補者とは、日本の介護施設で就労・研修をしながら、介護福祉士の資格取得をめざす外国人です。
介護福祉士候補者になるために、母国で事前に介護知識や日本語の学習を行い来日します。
EPAはインドネシア・フィリピン・ベトナムの3国と結んでおり、日本と相手国の経済上の連携を強化することを目的としています。

在留期間は最大4年間であり、期間中に介護福祉士の資格を取得できなかった場合は帰国しなければなりませんが、合格した後は在留資格「介護」に変更して引き続き日本で就労することができます。

但し、他の制度と違い、受入れ側としても「介護福祉士養成施設の実習施設と同等の体制が整備されていること。 」「在籍する常勤介護職員の 4 割以上が介護福祉士の資格を有していること」などの細かい要件を問われることになるので注意が必要です。

介護

在留資格「介護」は、2017年9月に創設された制度です。
こちらの在留資格を持つ人材は、介護の専門学校である養成校を卒業し、介護福祉士資格を持っています。
養成校では、一般的にN2レベルの日本語力が入学要件となるため、日本語能力も高いです。
また、養成校ルート以外にも実務経験3年以上と介護福祉士の資格取得ルートもあります。
実務経験ルートでは、技能実習や特定技能などの他の在留資格で3年以上介護業で実務経験を積み、介護福祉士の試験に合格しているため即戦力として期待できます。

しかし、在留資格「介護」は外国人材にとってはハードルの高い在留資格となるため母数も少なく、実際に採用するのは難しいといえます。

在留資格別の給与設定のポイント

外国人介護士を雇用する際、それぞれの在留資格によって雇用条件や要件は異なります。
介護施設や雇用主は、外国人介護士を採用する前に、候補者の在留資格に関する法的要件を理解し、遵守する必要があります。
以下は、主要な在留資格ごとの雇用条件についての詳細です。

技能実習の給与設定ポイント

技能実習生の場合、給与は最低賃金以上支払うことが定められています。
また、介護職種においては「日本人と同等処遇」が要件として求められるため、同施設で雇用している日本人介護士と同等以上の給与設定が必要です。
令和4年の厚生労働省発表によると、技能実習生全体の平均賃金は17万7,800円です。

実際の介護施設では、技能実習生は非常勤職員と同等の時給設定とされていることが多いです。

特定技能の給与設定ポイント

特定技能生の場合は、日本人と同等以上の給与を支払う必要があります。
一定水準のスキルを有した人材であるため、特定技能生の経験やスキルと同等程度の日本人従業員の給与を参考に、同等以上の給与設定が必要です。
令和4年の厚生労働省発表によると、特定技能者全体の平均賃金は20万5,700円とされています。

実際の介護施設では、特定技能生は正職員と同等の給与設定とすることが多いです。

EPAの給与設定ポイント

EPA候補者の場合にも、技能実習生と同じく、最低賃金以上であることが求められます。
EPAは、介護国家試験合格を目指すための研修中とはいえ、社員として雇用するので日本の労働基準法に則って給与設定が必要です。
また、EPAの場合は、給与や待遇などの条件面について、雇用契約書を候補者と取り交わさなければならないので、注意が必要です。

EPA候補者は多くの場合、現地看護学校あるいは大学卒業者となり、研修中とはいえ大学新卒採用と同等以上の給与設定とするとこが求められます。
また近年は候補者の減少傾向にあり、それなりの給与や待遇を設けないと、応募者獲得が厳しい状況にあるとされています。

「介護」の給与設定ポイント

在留資格「介護」では、同じ業務に従事する日本人と同等以上の報酬でなければなりません。
介護福祉士の資格を保持し、従事する業務の制限もないので日本人従業員とほとんど同じように雇用することができるためです。

在留資格「介護」の場合は日本人の介護福祉士職員同様に正職員の給与設定、また多くの介護施設で資格手当も付けています。

まとめ

人手不足が進む介護施設では、いくつかの方法で外国人雇用をすることができますが、
それぞれの在留資格で対応できる業務の範囲や、支払う給与設定など気を付けるべきポイントがあります。
自社に合った外国人雇用などご相談があれば是非お問い合わせください。