- 特定技能
国籍別の特定技能の現状と各国の特徴まとめ~インドネシア、ベトナム、フィリピン、ミャンマー編~
特定技能制度では年々、国内で活躍する人材の数が多くなっています。
様々な国の人材を採用することができ、現在、特定技能制度で最も人数が多いのは、ベトナム人です。
今回は特定技能制度での人数の割合や、中でも特に人数の多いベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー人材の特徴などを解説します。
入管発表の特定技能者数について国別に解説
令和5年の12月末時点で、出入国在留管理庁より特定技能の人数について公表されています。
国別でベトナムが最も多く110,648人、インドネシアが34,255人、3番目にフィリピンが21,367人になっています。
各国の人材の特徴
特定技能者を受け入れる際には各国独自の価値観やバックグラウンドを理解して接することで良好な関係を築くことができます。
個人差はもちろんありますが、宗教や文化など、国ごとの特徴を事前に理解しておくことは有効です。
ベトナム
特定技能者数の全体の約6割を占めるベトナムでは、宗教の面では儒教の考え方が根付いており、日本人に近い価値観の部分が見られます。
食事のマナーも、他人のお皿に料理を取り分ける時にはお箸は反対にして使う、スープを飲むときなどは器を持ち上げない、必ず乾杯をする、などがあり日本人でも日常的に行っていることが多いようです。
ほかにも生活面では、周りの評判を重要視し、年長者を敬うといった習慣が挙げられます。
またベトナム人の大きな特徴として家族を大切にする文化がとても強く、何よりも家族を優先して行動する面があります。
気質や性格の面においては、勤勉・真面目で努力家、向上心が強い、といった特徴が挙げられます。
働く上でも、仕事熱心でスキルアップにも積極的であるとされます。
特にベトナム人は手先が器用であることから細かい作業などで力を発揮する場面があります。
インドネシア
特定技能者数が全体で2番目に多いインドネシアは、宗教面においてはイスラム教信者が多数を占めます。
しかし信仰度合は人それぞれであり、食制限やお祈りに関しても来日してから徐々に緩和していく人も多いようです。
また、インドネシアは多くの島から成り立つ国だということもあり、民族の数が多くその分言語の違いなども存在します。その数はおよそ700語あります。
しかし、インドネシア語は日本語の発音と近い言語であり、比較的インドネシア人の日本語は聞き取りやすいといわれます。
性格上は日本人と似ているところが多く、穏やかで自己主張するよりもコミュニティや調和を重視し、勉強熱心であることなどが挙げられます。
多様な民族から成り立つインドネシアではそれぞれの文化の違いを受け入れており、働く上でも互いに助け合いながら協力することを大事にします。
フィリピン
フィリピンはかつてスペインなどの支配を受けていた背景もあり、宗教はキリスト教が根付いています。
性格面では情熱的で、“フィリピーノホスピタリティー”(おもてなしの心)を持っているのが特徴的です。フィピーノホスピタリティーとは、周囲の人に思いやりを持って親切にしたり、明るく接する、ということです。
働く上の特徴として、単純作業が得意で長時間集中して行うことができます。
また、多くのフィリピン人が英語をネイティブレベルで話すことができます。
そしてベトナム人と同じく家族を非常に大切にする文化があり、家族に何かあれば最優先して行動することがあります。
ミャンマー
ミャンマーでは仏教徒が多く、目上の人をよく敬う文化が根付いています。
穏やかで真面目な人材が多く、職場での指示に従ってコツコツと働くことが得意です。
ミャンマーでは親日の文化もあり、性格面でも日本人との相性は良いです。
日本国内でのミャンマー人材はまだまだ多くはありませんので、職場で気にかけサポートをするようにすると良いでしょう。
また、2021年にミャンマー国内で起こったクーデターの影響で国内の情勢は不安定になり、当分は帰国せずに長期間日本で働きたいと考える人材も増えています。
まとめ
今回は、特定技能として人数が増えているベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマーの4か国について、それぞれの特徴などを解説しました。
採用する人材の国籍によって、採用手続きも変わってきますので、お困りのことがあれば是非ご相談ください。