- 特定技能
宿泊業界(ホテル・旅館)の人手不足を解消する外国人雇用とは?
アフターコロナとなり、日本各地で旅行などのレジャーが活発になっています。
ゴールデンウィークの国内旅行者は2450万人となり前年の153%になりました。
しかし、一方で宿泊業では人手不足が深刻化しています。
ホテル・旅館などでの人手不足の現状
宿泊業では都市部に就職人口が流れていること、賃金相場が低い業界であることなどが原因として挙げられており、需要が増える一方でそれに対応出来ないという事態が起きています。
現に人手不足が深刻化している各施設では、既存社員の業務過多とそれによる離職者の増加や、販売制限せざるを得ない状況による機会損失、サービスや施設管理に手が回らず口コミが低下するなど、様々な問題が生じているといった現状にあります。
2023年1月時点での業界別人手不足の割合では、77.8%と他業界と比較しても人手不足が顕著であることが伺えます。
そこで、多くの宿泊業で外国人材の採用が進んでいます。
宿泊業で働く各職種の外国人材について在留資格別に解説
外国人雇用では、在留資格によって従事可能な範囲が決められており、それぞれの在留資格の特徴を理解した上で雇用を進める必要があります。
実際に宿泊業で働く外国人にはどのような在留資格の方がいるのでしょうか?
技術・人文知識・国際業務
こちらは、専門知識を活かした職種で活躍します。
例えば日本の大学や母国の大学で観光学を学び、その知識を活かして企画立案に携わる、などが該当します。
他にも以下のような業務が技術・人文知識・国際業務で認められます。
※ただし、あくまでも本人の学習してきた専門領域と従事する業務が重なる必要があります。
・宿泊プランの企画立案業務
・訪日外国人旅行者マーケティング業務
・外国人の人事管理業務
・通訳・翻訳業務
・外国語でのフロント業務
技術・人文知識・国際業務ではこのように従事できる業務が限られており、指定範囲外の業務に従事させることはできません。
そのため、ホテル内の清掃や荷物運びなどの単純作業に従事させることは認められていません。
「技能実習」と「特定技能」
こちらは、接客や送迎、清掃、飲料提供などの職種で活躍します。
また、技能実習制度では令和2年に技能実習2号移行対象として宿泊業が追加されました。
それまでは、技能実習1号として来日しても1年の実習期間を修了すると、帰国するしかありませんでしたが、技能実習2号として2年延長できることとなった為、合計3年間滞在できるようになりました。
人手不足解消のため創設された特定技能制度でも、宿泊業での就労が認められています。
技能実習や特定技能は、清掃などのバックヤードの業務に従事することが可能です。
それぞれの違いやメリット、デメリットについてご紹介します。
技能実習と特定技能では何が違う?
特定技能のメリット
特定技能のメリットは、業界経験者又は指定試験合格者であるため、一程度の業務スキルや日本語力が身についている人材を採用できる点です。
技能実習として宿泊業で就労していた経験を持つ人材も多い為、『日本のおもてなし接客』などが身についていることも期待できます。
特定技能のデメリット
特定技能のデメリットは、採用の難しさにあります。
技能実習2号に宿泊業が追加されてまだ3年経過していないこともあり、宿泊分野の技能実習生として来日した人材の多くはまだ技能実習期間を終えていません。
そのため、他の業種のように、転職市場に人材がいない状態です。
技能実習のメリット
技能実習のメリットは、入社した人材を教育していくことができる点です。
日本での技術を母国に還元することを目的とする技能実習制度では、入社した人材を3年間かけて教育することができます。
また、インドネシアやミャンマー、ベトナムなどアジア圏では日本のホテル業界への就労に人気が多く、各国から人材を集めることができるため沢山の希望者の中から人材を採用することができます。
技能実習のデメリット
技能実習のデメリットは、入社までの時間がかかることです。
国外から人材を呼び寄せるため、入社までにおよそ半年の期間を要します。
技能実習を採用する際には、事前に採用計画を立てることが必須です。
まとめ
今後さらなる需要が増えると思われる宿泊業界。
特に地方部では日本人の採用に難航しているという現状です。
採用したい職種に合わせた在留資格の外国人雇用を進めることで、宿泊業での人材不足解消に繋がります。
また、今回ご紹介したそれぞれの在留資格での採用時の注意点や、採用までの手続きについては是非お問い合わせください。