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【秘訣その2】特定技能の採用面接前にしておくべきことは?
採用活動を行うにあたり重要となる「人材要件」。どんな仕事内容で、どのような人物がそのポジションに適切なのかを明確化することで、その先の求人票作成や面接などでミスマッチを防ぐことにつながります。
また、就労ビザにはたくさんの種類がありますが、想定する業務内容と、就労可能な在留資格要件との適合性を確認しておかないと、受け入れが認められない可能性があるので要注意です。
今回は、関東地方の製造業様の事例をご紹介いたします。
高い人材要件、本当に必要?
工作機械の溶接を行うとある関東地方の企業様(以下、A社)では、技能実習生の受け入れを2019年に開始。
真面目に働き、しっかりと溶接スキルを身につけていく姿勢は高評価だったが、唯一A社を困らせた問題は「日本語」。意思疎通や指導に苦戦していた。
そこで、技能実習3年間もしくは5年間のうちに身につけた技術や日本語レベルに期待し、特定技能人材の採用を決定。
当初、経営陣が求めていた要件は2点
1.図面をみて溶接を一人でこなすことができる技術レベル
2.日本語は「N2」レベル
結果として、求人開始から1ヵ月後、採用はゼロ。改めて人材要件の見直しを図る必要があった。
採用後をイメージした優先順位づけでマッチング
➀採用要件を定義する
経営陣のみならず、採用する部署にも参加してもらい、A社が半年後~1年後に理想とする会社の姿を話し合い、課題のすり合わせを行った。
➁必要なスキルを洗い出す
溶接レベル・日本語レベル・性格・人柄・・・
③要件に優先順位をつける
溶接の技術レベルは高くなくとも、作業指示を理解し、日常会話が出来るレベルの「日本語能力」に焦点を当て、求人を再開することに。
合わせて、社内でも明るく元気に良く話す人を歓迎すると人物面でも人材要件を洗い出した。この辺りもリストアップできると通訳コーディネータからのアドバイスがもらえるので、マッチングスピードが上がります。
結果、A社は溶接スキルは高くないが、日本語力が高いB君の採用を決めた。B君は日本に来る前に、ベトナムの日本語学校でアシスタントをした経験から日本語能力試験「N2」を取得し、会話も「N2」レベルであった。
B君は、会社からの評価はもちろんのこと、技能実習生からも評判が高く、A社にとって欠かせない存在として活躍中。