CASE STUDY 事例紹介

特定技能受け入れ事例紹介|特定技能2号合格!日本一を目指した男
  • 造船・船用工業

株式会社岸本鉄工所

特定技能受け入れ事例紹介|特定技能2号合格!日本一を目指した男

特定技能受け入れ事例紹介|特定技能2号合格!日本一を目指した男

 TRAN BINH TRONGさんは6年前に株式会社岸本鉄工所の技能実習生第1期生として来日しました。実習満了後は特定技能へ切替え、弊社が支援する3000名以上の特定技能者の中で最も早く特定技能2号になりました。
日本一にこだわった特定技能2号合格までの軌跡を追いかけました。

海外人材インタビュー

特定技能受け入れ事例紹介|特定技能2号合格!日本一を目指した男

海外人材プロフィール

  • TRAN BINH TRONGさん

    TRAN BINH TRONGさん

    国籍:ベトナム

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Table of Contents

 TRONGさんの出身は、ベトナムのベンチェ省で父は遠洋漁業、母は畜産農家で両親とも忙しくしていました。メコン川で釣りをしたり、ダーカウ(蹴鞠)をして遊ぶ子どもで、幼少期の夢はオートバイレーサーになる事で、昔からバイクや車が大好きでした。

来日して、すぐ迷子

 2018年に、岸本鉄工所に技能実習生としてやってきます。入国し配属される前のこと、同期メンバーと玉掛け講習が終了し監理組合の宿舎へ帰っていました。TRONGさんが代表してタクシーで支払いをしている間に先に降りた他の同期たちは丁度来た電車に飛び乗ってしまい一人ぼっちに。近くにいた日本人に道を教えてもらい、なんとか最寄り駅で同期と合流できました。日本語もまだまだできなかった当時の忘れもしない思い出になりました。

迷いを経て、飛躍へ

 2020年の秋ごろTRONGさんは、技能実習の満了を迎えるにあたり、今後の進路について迷っていました。日本語の習得もまだまだだと感じ、日本に残って溶接の技術を磨いていくか、いっそのことベトナムに帰って仕事をするか悩む日々。しかし日本で仕事を頑張ろうと振り切りそこから特定技能1号、そして2号へと駆け上がって行きました。
 2021年に特定技能1号への切替後は、造船・舶用工業分野では他分野に先駆け特定技能2号の受け皿があり、期間の上限がない在留資格があるなど友人同士から情報をキャッチしており、2号取得で日本一を目指そうと志すようになりました。

恩返しのために

 TRONGさん達3名の1期生が入社し暫くは、会社近くの寮で生活を送る彼らの為に食料品の買い出しに社長が車で送迎するなど、何かと気にかけてフォローをしてくれていました。
 自分が特定技能2号取得で日本一になれば、業界で話題になり注目される事で、会社に良い仕事が増え、良い人材が集まるのでは無いか?まだ社会人になりたての自分たちに、仕事のやり方や技術を一から教えてくれた会社に貢献したい。巡り巡ってそれが、育ててくれたお母さんやお父さんへの恩返しになると考えるように。
特定技能2号試験の手続きは、会社と支援担当者にお願いしました。溶接実技の練習をたくさんさせてもらい、筆記の為に教本で勉強し、会社の応援と、支援担当者や通訳さんのお陰で無事に試験に合格しました。

目まぐるしい成長

 技能実習を満了し特定技能1号になってからのTRONGさんの成長は目を見張るものがあります。原動機付自転車免許の取得、50CCバイク購入、普通二輪免許の取得、400CCバイク購入、普通自動車免許の取得、自動車2台購入と矢継ぎ早に車両免許を取得しました。更には、JLPT2級合格、特定技能2号取得、彼女との挙式(24年9月28日)と持ち前の実行力で目まぐるしい成長を遂げています。仕事でもリーダーシップを発揮するようになり、後輩の指導や気配りなど人として高みを目指す姿を6年前の入国時に想像できたでしょうか。社長をはじめとする会社のサポート、これまでフォローしてきた組合や弊社担当者との二人三脚無くしては実現しなかったことでしょう。

企業様インタビュー

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受け入れ企業プロフィール

株式会社岸本鉄工所(舶用機器、産業機械製造業・兵庫県)

  • 事業内容

    舶用機器、大型産業機械加工、医療用機器製造、エネルギー産業用機械加工、航空宇宙産業分野

    代表取締役 岸本 博仁さん

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株式会社岸本鉄工所

「最大の会社よりも、最良の会社たらん」の社是のもと、2025年に創業100周年を迎えます。
舶用機器製造から、電力、医療、航空宇宙産業まで大型製缶、大型機械加工を強みに高い技術力で一貫製造体制を整える兵庫県のリーディングカンパニーです。

会社公式サイトはこちら→

会社をあげて

 岸本社長はTRONGさんの特定技能2号取得への気持ちを聞いて、絶対に日本一の男にさせてやりたい!と気持ちを日々強めていったそうです。社員にも情報を共有し、全社一丸となり彼らの2号取得を応援しました。

 2023年9月に広島県のモデル事業としてバックアップを受けたある企業で特定技能2号試験初の合格者が出た事を、業界紙で知る事になりました。G.A.コンサルタンツの担当者に連絡を入れフォローを改めてお願いしました。その後TRONGさんたちは2号試験会場になる会社に何度も足を運び溶接の練習を重ね、溶接の教本を何冊も読みこんで2023年12月の試験に臨み、同期2名と一緒に見事合格!社長は、日本海事協会から「特定技能2号試験合格証明書」が届き、社員全員で喜び合い証明書を受け取った時の嬉しそうな彼らの顔は忘れる事はないと言います。

答え合わせは後から分かる

 2025年に創業100周年を迎える岸本鉄工所ですが、事業を継続していく上での考え方や、人材定着について岸本社長に伺いました。

 社是として「最大の会社よりも、最良の会社たらん」を掲げており、常にチャレンジする姿勢を大切にしています。働く限り、同じ時間を共有する会社での仕事はとても大切だと考えています。常にモチベートできる環境を作る事が経営者の仕事であり、だからこそより難易度の高い仕事を狙って取りに行っています。価値の高いモノづくりを追求できる人材を育てていきたいとも思っています。

 毎日同じ仕事がしたい人は自然と淘汰されていき、より高みを目指したい人間だけが残っていく。その残った社員全員が、「物心両面の幸福」を感じて人生が充実し岸本で働いて良かったと思えてくれたら、ようやく会社として取り組んで来た事が正解だったのかの答え合わせができます。と輝く強い眼差しでお答え頂きました。経営も、人材の育成も長期的な視点で取り組んでいます。岸本鉄工所は大型製缶から機械加工まで一貫生産体制の強みを活かし、医療用機器やエネルギー産業、航空宇宙産業に至るまで、幅広い領域で社会に貢献し続ける次の100年を創造していきます。 G.A.コンサルタンツは我々にとって欠かす事の出来ない、重要なビジネスパートナーと位置付けております。

企業と人に選ばれる

 岸本鉄工所が外国人雇用を検討し始めたころ、言葉や文化の違い、コミュニケーションの不安、地域住民の理解など様々な心配もありましたが、TRONGさん達の学ぶ姿勢や仕事ぶりが評価され、何より受入れてみて社員が差別なく接している、まさに企業風土そのもの。
 彼らのハイスピードでの躍進は、後輩たちの成長と定着のロールモデルとなり、更には仕事と人を呼び込んでくる。企業と人に選ばれる会社へと導いていってくれることを願っています。

支援担当者インタビューも交えた
完全版はこちら→

まとめ

出入国在留管理庁発表のデータによると、令和5年12月末時点で造船・舶用工業分野で特定技能2号の在留者数は全国でわずか6名です。うちベトナム人は3名となっています。TRONGさんたちは次に発表される速報値に属しますが、間違いなくエリア最速で合格した特定技能者になります。今後は彼らにいかに日本で仕事をし、暮らし続けてもらえるか我々日本社会のあり方が問われています。

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