トヨタ・ベトナム社、ベトナムでの自動車生産の停止を検討も
2014年3月末に開かれた2014年会計年度の総括会議でトヨタ・ベトナム社のYoshihisa Maruta社長は、同社が2018年からベトナムにおける自動車の組立生産を停止し、完成車の輸入も視野に入れて検討していることを明らかにした。
同社長によれば、ベトナムでは2018年になると東南アジア地域から輸入される自動車の関税率が0%に引き下げられ、自動車メーカーは部品を輸入し、ベトナムで組立を行うよりも完成車を輸入した方が有利になり、ベトナムで自動車の組み立てをするメリットがなくなることが予想される。
それに際し政府も「2025年までの自動車産業発展戦略及び2035年までのビジョン」を出したが、具体的な政策やスケジュールはまだ決まっていない。
新モデルの自動車を生産するためには、その準備に3年もかかるため、今から具体的な生産計画を立てなければならないが、上記の戦略の具体的な展開スケジュールがまだ出ていないため、生産に向けての決定を出すことが出来ない状態なのだという。
このため自動車の関税率が0%に引き下げられれば、ベトナムの各メーカーが自動車の組立生産を停止し、完成車を輸入する可能性もあり得るという。現時点でトヨタ・ベトナム社はベトナムの自動車市場で最大のシェアを占めている自動車メーカーであり、ベトナム自動車メーカー協会(VAMA)の統計では同社の2014年の自動車販売台数は前年比24%増の4万1205台に達し、そのうちベトナムで組み立てられた自動車は3万4778台であった。トヨタ・ベトナム社は、今年の生産台数が前年比18%増の4万1000台、販売台数が13%増の4万6000台に達することを目標にしている。
(Gafin.vn、2015年4月6日)