『ラオス:中国 – ラオス鉄道開通、ASEANへ機会をもたらす』
2021年12月初旬、ラオスの首都ビエンチャンと中国国境のボーテンを結ぶ414キロメートルの高速鉄道が開通した。
この60億USDのプロジェクト(ラオスのGDPの1/3に相当)は中国の一帯一路構想(BRI)の一環として中国が支援し、両国の関係を深める要となっている。中国との国境までの移動時間は車で15時間かかるのに対し、高速鉄道を利用することにより4時間未満に短縮される。ボーテンより先は国境を越えて北に595キロメートル、中国雲南省の省都・昆明までを結ぶ。ビエンチャンから昆明までの物流コストは40から50%下がると予測されている。
路線の南部はタイのノンカイ県と首都バンコクまで結ばれる予定。インフラが貧弱なラオスは中国-ラオス鉄道の完成前は、わずか4キロメートルの鉄道しかなかった。接続性が改善されたことにより、国は州間、ASEAN近隣諸国間、そして中国とのより多くの貿易を促進する。
中国-ASEAN貿易の大部分(2020年には6000億USD以上の価値)は主に海上ルートに依存しており、ラオス-中国貿易は中国-ASEAN貿易全体の2パーセント未満である。世界銀行(World Bank)の報告によると、ラオスを経由する輸送貿易は、2016年の160万トンから2030年までに390万トンに達し、推定150万トンの海上輸送を鉄道輸送に切り替える可能性があるという。
2020年のパンデミックがラオス経済に影響を及ぼしている(0.4%の減少)ため、高速鉄道が国の新規投資強化に貢献する見込み。また政府は海上輸送から陸上輸送への切り替えに備え、ラオス初の統合物流施設の開発を開始した。
参照:ASEAN BRIEFING、21/12/2021